WeChatといえば中国版のLINEで多くのユーザが利用している超定番アプリです。しかし、国内外のいろんな規制のうごきにさらされています。今後のことを考えると、WeChat以外の連絡方法も用意したほうがいいのかもしれません。
WeChatをめぐる動き
WeChatは中国で人気のメッセージアプリ。いわば中国版のLINEです。
メッセージ機能以外にもWeChatペイという電子決済が可能。
近年はミニプログラムとして、多くのアプリがWeChatから利用可能となっています。
そういった面でも、多くのユーザが手放せないアプリとなっています。
ところかメッセージアプリは、その性格上多くの個人情報をもっていることもあって政治的な圧力にさらされています。
アメリカ
アメリカではトランプさん時代に中国に対して厳しい対応をとりました。
2020年には、米商務省が米国内のサーバーやコンテンツ配信網においてWeChatの配信を止める「配信禁止令」を発令しました。
米国で使用禁止になりそうな「WeChat」、日本で今も使えるのか!? - ケータイ Watch (impress.co.jp)
その後、トランプ政権からバイデン政権へ移行。
現時点ではWeChat全面排除のような厳しい話は出てないと思いますが、今後の米中情勢次第によってはまた問題視される可能性はあるでしょう。
中国
中国では、「共同富裕」政策を強く打ち出していることもあってか、IT企業へのあたりが強くなっています。
WeChat運営のテンセントに対しては、独占禁止法違反として罰金が科されました。
中国当局がアリババやテンセントに罰金、独占禁止法違反で - Bloomberg
テンセント参加のテンペイは、外為業務の規制違反として罰金が科されました。
テンセント傘下テンペイに罰金、中国外為当局が規制違反で (msn.com)
テンセントの主力事業はゲームですが、未成年のオンラインゲーム依存防止対策に関する行政指導が行われました。
未成年のオンラインゲームは、金、土、日で1時間、合計で週に3時間だけという規制が行われ、ゲーム業界には厳しいあたりとなっています。
中国政府「未成年ゲーム依存防止策」をさらに強化 | 「財新」中国Biz&Tech | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース (toyokeizai.net)
また、テンセントに対しては中国の個人情報保護法などのルールに合致していないための措置として、新規アプリの配信停止・既存アプリのアップデート停止といった厳しい措置が行われています。
中国がテンセントのアプリ投入を凍結、個人情報保護法巡り-関係者 - Bloomberg
ゲームや資金決済、情報保護などでは強い規制措置がとられており、テンセントはその矢面にたたされている印象です。
現時点ではWeChatの差し止めなどはありませんが、このような圧の影響を受けないとも限りません。
結論
中国でのビジネスなどには欠かせないアプリとなっていますが、規制によって大きく影響を受けます。
WeChat以外の連絡方法などについても、いまのうちから考えておいたほうがよいでしょう。