最近はマイクロプラスチックやナノプラスチックのニュースが増えてきました。
これらはその名の通り微細なプラスチックを指します。体内などに蓄積されていくとどうなるのかはまだ研究途上です。
マイクロプラスチックとは?
マイクロメートルよりもさらに小さい、微細なプラスチックの粒子です。
プラスチック製品は身の回りに多いですが、それだけではなくマイクロプラスチックの粒子は大気中にもあります。
Constraining the atmospheric limb of the plastic cycle | PNAS
近年の研究では胎盤のなかにもマイクロプラスチックが確認されています。
国内でも、東京農工大の高田秀重教授らのグループの分析によって、血液や腎臓、肝臓などから、プラスチックに添加する紫外線吸収剤やポリ塩化ビフェニール(PCB)という有害化学物質が見つかっています。
人の血液からプラスチック微粒子 有害添加剤を国内初検出、農工大(共同通信) - Yahoo!ニュース
人体への影響は?
マイクロプラスチックの影響についての研究はまだまだ途上であり、もう少し様子を見る必要があるとは思います。
しかし徐々にいろんなことがわかってきました。
イタリア主導のチームでは、プラーク中のマイクロプラスチックの存在が心臓発作や脳卒中のリスクを高めることを発見しました。
中国では血栓中のマイクロプラスチック濃度が高い人は、Dダイマー濃度が高いことがわかりました。
Dダイマーの値が高いと、血栓の存在を示す可能性があります。マイクロプラスチックが何らかの形で血液中で塊となり、血液凝固を悪化させている可能性もでてきました。
防ぐには?
大気中、あるいは食物連鎖のなかにもマイクロプラスチックがあるため、おそらく完全に逃れるのは難しいのではないかと思われます。
しかし少しでも減らしておきたいという方は以下のことを意識しておくといいかもしれません。
煮沸する
中国の広州医科大学と済南大学の研究チームは、軟水と 硬水(ミネラルを多く含む)の水道水の両方で、水の煮沸とプラスチックの影響についてのテストを実施しました。
水には沸騰させる前にナノプラスチックとマイクロプラスチックを加え、沈殿物をろ過して除去しておきます。
結果、水の種類によって効果は異なるが、沸騰させて濾過するプロセスでマイクロプラスチックの90%まで除去できた」としています。
和食
「難消化性食素材」を使うとマイクロプラスチックの排出に有効だったという研究結果があります。
根菜や海藻など、和食には多くの食物繊維が含まれており、マイクロプラスチックを輩出するに役立つのではないかと言われています。
《体内に入り込むマイクロプラスチックから身を守るには…》“効率的な体外への排出”が期待できる食事は「根菜」「海藻」などの和食|NEWSポストセブン (news-postseven.com)
プラスチック容器の電子レンジを避ける
「プラスチック容器を電子レンジで加熱すると、数十億個のナノメートル幅の粒子が容器内の食品に混入する可能性があること」が、新しい研究でわかってきました。
ということはプラ容器はレンジで加熱しない方がいいかもしれません。
駅弁のような紙容器ならいいのかも。
ペットボトルを避ける?
ペットボトルには「ペットボトルの素材であるPET」やマイクロプラスチックが確認されるそうです。
ただプラスチックについては、ボトルのプラスチックというよりは「ボトル入りの水を浄化するためのフィルター」に使われるポリアミドが多かったそうです。
となるとペットボトル以外の要因も考えないといけなさそうです。
Rapid single-particle chemical imaging of nanoplastics by SRS microscopy | PNAS