2022年はとら年になります。「寅(とら)千里を走り」とされ株式市場は良好な感もあります。果たして相場はどうなるのでしょうか。
とら年と相場は?
相場の格言では、「辰巳(たつみ)天井、午(うま)尻下がり、未(ひつじ)辛抱、申(さる)酉(とり)騒ぐ、戌(いぬ)笑い、亥(い)固まる、子(ね)は繁栄、丑(うし)はつまづき、寅(とら)千里を走り、卯(うさぎ)は跳ねる。」とあります。
「寅(とら)千里を走り」とあり、非常によさそうな印象はあります。
過去のとら年相場は?
過去の寅年をみてみると、
- 2010年 10,654.79 → 10,228.92円(-3%)
- 1998年 14,956.84 → 13,842.17円(-7%)
- 1986年 13,136.87 → 18,701.30円(42%)
- 1974年 4,259.20 → 3,817.22円(-10%)
- 1962年 1,425.30 → 1,420.43円(0.3%)
バブル真っ盛りの1986年を除いてあまりパフォーマンスはよくないです。
はたして新政権が大型財政・金融緩和で大バブルを起こせるかどうか、その手腕がとわれるところかもしれません。
上がるかどうかは確実なことはいいきれません。
しかし、上がる場合の条件、下がる場合の条件を知っておけば対処しやすくなると思います。
2022年株式が上がる場合は?
大型インフラ投資
バイデン政権では、インフラ整備に5年間で総額約1兆ドル(約110兆円)を充てる政策を進めています。
すでに上院を通過し、下院での審議となります。
米上院、110兆円インフラ法案可決 バイデン氏「団結」の成果:時事ドットコム (jiji.com)
コロナの変異種などでコロナからの復活が予想よりも遅れた...としても、大型の財政が出動されており、景況感へのダメージが少なく済むかもしれません。
金融緩和の継続
コロナ禍ではじまった大型の金融緩和。景気がよくなるにつれて緩和状態の停止へと舵が切られます。
といってもテーパリングがやっとはじまり、買取資産額を減らしていくという段階です。利上げはまだ先ですし、緩和状態が続いている以上、なかなか市場が暴落するとは考えにくいです。
中国共産党全国代表大会開催
中国共産党全国代表大会は5年に一度開催されます。
2022年には、中国共産党全国代表大会が開催。習さんがいよいよ3期目に入り、長期政権を固めるのかが注目されます。
中国共産党全国代表大会の過去は比較的パフォーマンスは良好です。
2002年の終値 1357.654053 -17.5%
2007年の終値 5261.560059 96.7%
2012年の終値 2269.12793 3.2%
2017年の終値 3307.172119 6.6%
3期目は異例のことですから、景気対策を相次いでうって不平不満が出ないようにしてくる可能性があり、そうなれば株式市場もいいパフォーマンスになるでしょう。
2022年株式が下がる場合は?
インフレ、スタグフレーション
インフレ傾向が強いですが、FRBなどは一過性のものとしてとらえています。しかしFRBの予想を超えてエネルギー、不動産、自動車などの市場が上昇を続ける可能性も排除できません。
バイデンショック
アフガニスタン撤退やコロナからの回復の遅れなどでバイデン政権の支持率は下がり気味となっています。
可能性は低いですが、高齢のバイデンさんが健康問題から執務続行できなくなる...ということもあるかもしれません。
その場合にはカマラハリスさんへバトンタッチになりますが、カマラさんの手腕は未知数。そのため、株式市場も激しく動揺する可能性はあります。
アメリカ中間選挙
また大統領サイクルでは2年目のパフォーマンスはそれほど高くなく(といって統計的には1年目といっしょぐらいですが)、特に中間選挙前は上昇しない時期が続く可能性は大きいようです。
http://www.hussmanfunds.com/rsi/prescycle.htm
FRB議長のジンクス
パウエル議長は2022年2月に任期を迎えます。
イエレン財務長官、FRB議長再任を支持か 米報道: 日本経済新聞 (nikkei.com)
FRB議長がかわるときに歴史的にも大きなショックが起きやすいとされています。
1976年のボルカーさんの時は、第二次石油ショックの影響で米国の物価上昇率は10%にもなりました。
1987年のグリーンスパンのときはおなじみブラックマンデー。
2006年はバーナンキ。このころは2008年サブプライムローンショックへ向けて燃料が投下されていたころ合いでしょうか。
果たして今回ボルカーから変わるのか、FRBショックは起きるのか。。。
(更新 2021/11/24)
パうウェルさん留年留任となりました。
共同富裕
2021年中国では「共同富裕」というスローガンのもと、企業に対して厳しい姿勢を見せています。
格差是正という観点では評価できるのかもしれませんが、企業活動の萎縮へつながる可能性もありその動向が注視されます。
増税ラッシュ?
イギリスではコロナによる財政悪化などの影響で、国民保険料が1.25%分上乗せとなります。
コロナについてはワクチン接種によって死亡者数・重症化が軽減されることである程度の社会正常化が進む可能性があります。
そうなれば大型支出で悪化した財政の回復のためあいついで増税が実施されることになるでしょう。そうなれば消費への悪影響が予想されます。
イギリス政府が増税発表「医療・介護にあてるため」コロナの影響も|TBS NEWS
日本では、岸田政権は財務省よりといわれています。もし2022年参議院選挙で大勝すれば、2024年までは安定的な政治運営となり、金融課税などの増税路線をとるかもしれません。
ウクライナ、台湾情勢
ウクライナをめぐってNATOとロシアが、台湾をめぐって米中の対立が強まりつつあります。
ロシアについては2022年1月末までにはウクライナ近辺の軍力強化が完了するとの見方もあります。
中国は2月には冬のオリンピックが終わります。ソチオリンピック後にクリミアを奪取したロシアのような行動をとるのではと懸念する向きもあります。
これら国際情勢の推移によっては株式市場へ大きな影響があるかもしれません。
新変異種
2021年12月は各国でオミクロン株への懸念が広がっています。
これがうまく収まったとしても、今後新たな変異種が起きるたびに振り回されるという嫌なシナリオは残ったままです。