東野圭吾作品映画で、2024年1月に映画が公開された作品がアマゾンプライム登場。しか東野映画としては3つ星と思ったより低めなのでそのあたりの感想を紹介します。
「ある閉ざされた雪の山荘で」とは?
大人気作家東野圭吾の 1992年長編小説。
重岡大毅, 中条あやみ, 岡山天音らによって映画化されました。
そして早くもアマゾンプライムに登場です。
東野作品といえばガリレオシリーズをはじめ、映画も面白いものが多いですのでこれはやはり高評価か?と思いきや3つ星です。ちょっと不安を持ちながらの視聴です。
ストーリー
オーディションとして別荘へやってきた劇団員。
4日間すごして、事件の真相を解いたものが主役になるというちょっと変わった趣向らしい。
事件は早々に起こり、1名が殺されたようだ。殺されたようだというのは実際には姿を隠したため。
しかし次々に事件は起こり、血痕があることで明らかに殺人は起きているようだ。
果たして犯人は誰?
ネタバレありの感想
序盤に「そして誰もいなくなった」の本が別荘に置かれていたというシーンがあり、あきらかに「そして誰もいなくなった」をモチーフとして作られた作品と思われます。
そして後半の謎解きでは、意表を突かれました。
なぜわざわざ、「舞台オーディションという設定で死者は姿を消すだけ」という設定にしたか、その謎がときあかされます。
すなわち......「そして誰もいなくなった」なのに「誰も死んでない!」という仕掛け。
さすがプロの作家は考えることが違います。
おそらくは、...
「そして誰もいなくなった」みたいなミステリーでなんか面白い設定ないかな?
...実はみんな死んでないってのはまだないな。こりゃいけるっぺ。
でも死体がいくつも見つかったら、さすがに仮死でごまかすのはきついなあ。
ほな、オーディション中の劇団員ってことにして、事件なのか役なのかわかりにくい設定にしておこう。これなら死体がでてこなくてもいっかー。
...って感じじゃないかなと思います。
本来「そして誰もいなくなった」風にするなら、完全な孤島で外部と切断すべきですし、そうもしていないのは変だなーと思ってみてました。
が、あえてあいまいさを醸し出したかったのかなとも理解できます。
低評価のわけは?
東の作品として三ツ星はちょっと低いかなと思います。
で1つ星のレビューを見てみると「緊張感の無さ」を指摘する声が目立ちますね。
個人的にも、ストーリーは4つ星、演出は2つ星でして、演出はちょっと切れがないかなーという感じです。
映画って、主人公が語るだけがストーリーではなく、ライティングだったりカメラのカット割りの角度だったり、いろんな技法を駆使して人物の心理描写が直感的に伝わるようにしています。
ところがこの映画のカット割りやライティングはほとんど一緒。人物の横をただ撮影しているだけ。
サスペンスは高まらず、緊張感が出ない、ということにつながっているのではないかと感じました。
ちなみに監督は飯塚健さんで、井上和香さんの旦那さん。
キャリアはそれなりにあるので、予算がなくてさくっとつくってしまったとかかもしれませんし、映画の技法にはあまり興味がない作風なのかもしれません。
(あくまで個人の感想です)