ネトフリはドキュメンタリーの良作が多いですが、「ウィンターオンファイア ウクライナ自由への闘い」は、ウクライナで実際に起きた市民革命の記録です。
国民が政府にいかに立ち向かっていったかが、証言と記録映像でわかりやすく描かれています。
ウィンターオンファイア ウクライナ自由への闘い
ウィンター・オン・ファイヤー: ウクライナ、自由への闘い - Netflix
ウクライナで学生運動が大規模な公民権運動へと拡大した過程を紹介するドキュメンタリー。「親ロシア派大統領ヤヌコーヴィッチ氏が、2014年2月にロシアに亡命して政権が崩壊した」マイダン革命の記録です。
当事者たちの証言や、記録映像で構成されています。
2015年1時間38分。
MG+ | ウクライナ通信(7)ウクライナの現在 -「オレンジ革命」とその結末 | 明治学院大学 “Do for Others” (meijigakuin.ac.jp)
あらすじ
ウクライナといえば「オレンジ革命」が有名です。
ただ「オレンジ革命」は2004年に起きており、これは大統領の不正選挙への抗議から起因したものでした。
この番組で取り扱っているのは2013年末から起きた「マダイン革命」となります。
ヤヌコーヴィチ大統領は、当初EU加盟を掲げていました。
しかしEU入りの協議を停止すると発表し、国民の怒りを買いました。
失望した国民は若者を中心に広場に集まります。当初は思ったより少なく数百人だったそうです。
しかし徐々に続々と多くの人が広場へと集まりだします。
冬の寒い時期なのに、多くの若者はそのまま広場にいすわります。
その後、鎮圧しようとした警官隊との対立は続きます。
政府側は、囚人たちを使った悪質な防衛部隊を配置して、市民を制圧しようとします。
また、集会でのヘルメット禁止といった法改正をし、規制を強化してきます。
それに対し、(ヘルメットの代わりに)鍋をかぶって集まりだすなど、国民たちの抵抗の勢いは衰えることはありません。
追い詰められた大統領はとうとう敵前逃亡することとなり、いよいよ新たな選挙が実施されることが決まりました。
感想は?
激しい衝突もありますが、多くの国民が行進や集会で集まることによって抗議の意を示しました。
多くの人が「ウクライナはヨーロッパの一部」をアイデンティティとしているのであれば、それを無理やり引き留める行為には正当性はありません。
今回のロシア侵攻では「ウクライナが思った以上に善戦している」という見方があります。
この番組を見終わった後では、「国民一人一人が自分たちで戦って、自分たちの権利を勝ち取った」人たちが、そうやすやすと「逃げたり屈服するわけがない」というのも十分納得がいきます。
(更新 2022/3/24)
オリバーストーン監督のウクライナドキュメンタリーはYouTubeで公開中。
日本語字幕もあります。