バイデンさんが正式に大統領レースを撤退。副大統領カマラハリスさんが大統領選に挑むことにほぼなります。
一般にカマラさんの評価は高くありませんが、若さ、アフリカ・アジア系であること、女性であることなどから、風がなびく可能性は十分あるでしょう。
カマラハリスさんとは?
カマラハリス(Kamala Devi Harris)さんは1964年生まれ。執筆時現在59歳。
「インド系移民」で乳がん研究者の母親と、「ジャマイカ」生まれの大学の経済学教授の間に誕生しました。
ちなみに「カマラ」はインドの「蓮」の意味から。
小さいころから両親と市民権運動に参加。のちに弁護士・政治家へと進んでいったのはある意味当然といえるかもしれません。
ただ早い時期に両親は離婚。母とともに暮らすことになりました。
ハワード大学卒業後、カリフォルニア州オークランドの副地方検事としてキャリアをスタート。
カリフォルニア州司法長官にまで上り詰めました。
2016年、上院議員選挙へ出馬して当選。
カリフォルニア州上院議員としては、アフリカ系アメリカ人女性としては2人目、南アジア系アメリカ人としては初。
2020年には、自身の選挙キャンペーンは不発でしたが、バイデンの副大統領候補に指名されました。
執筆時現在は49代副大統領。
こちらが回顧録「The Truths We Hold: An American Journey」。
家族は、弁護士のダグラスさんと結婚しています。
ダグラスさんには2人の子供が既におり、カマラさんは継母となりました。
カマラハリスさんが大統領になったら?
不法移民対策については、強硬派から擁護派まで批判されることも多く、この辺りの発言を間違えると大統領選挙で失速する可能性はあります。
ただ大統領になった場合には、概ね基本路線はバイデン政権を継承するものと思われます。国際協調主義、気候変動対策、メディケア推進など。
国際協調主義
外交については、トランプのアメリカファーストではなく、現バイデン政権のような国際協調主義が継続されるものと思われます。
気候変動対策
気候変動対策は重要と考えており、現在のバイデン政権の政策はそのまま引き継がれることになりそうです。
特に、バイデンよりも化石燃料の取り締まりに踏み込むのではないかと推測する向きもあります。
経済対策
中間層のための減税。
最低賃金引き上げなど。
単一医療保険制度の推進
民主党としてメディケア支持派であり、オバマさんのメディケア路線の継続となるでしょう。
不法移民のための市民権への道
不法移民排除に厳しいトランプ政権とはスタンスが違い、大統領選挙でも大きな争点となりそうです。
とはいえ、副大統領就任後に南部国境を視察をしたのは6カ月後ということで、多くの議員から反発を受けたこともありました。
治安対策・刑事司法改革
銃規制強化として、背景調査の厳格化や攻撃用武器の禁止など。
特に現在のアメリカでは治安の悪化が問題となっていますので、対策強化は行われることになるかもしれません。
権利
女性の妊娠中絶の権利保護。
LGBTQ+で差別禁止法の制定や同性婚の保護。
TikTok
TikTok禁止については、「国家安全保障上の懸念があるが、TikTokを禁止するつもりはない」としています。
参考:
カマラ・ハリス氏はこんな人、民主党の大統領候補最有力-QuickTake - Bloomberg
【米大統領選2024】 カマラ・ハリス副大統領とは 選挙戦撤退のバイデン氏が後任候補に支持 - BBCニュース
バイデン政権を悩ますハリス副大統領という難題 | SPFアメリカ現状モニター | 日米関係インサイト
Here’s what we know (and don’t know) about Kamala Harris and tech policy - The Verge